さりげなく。

「返却口」なんて書いてなくても、食べ終わったら、ラーメンの丼やコップをカウンターの隅の台の上に置く。「お客さんだよ」って、一人で切り盛りしている厨房のおじさんに教えてあげる。

なんかやさしいのだ、お客さんが。しかも、さりげなく。

派手なTシャツの人も、作業帰りの人も、大学生風の人も。常連さんはさりげなく。

知らなかった。おじさんは、お水のコップがひとつずつしか持てなかった・・・片方の手は身体を支えるために使っている。『お水くらいセルフでやるのに』

おじさんはラーメン丼を絶妙なバランスでテーブルへ運んでくれた。『取りにいけばよかった』

 

子どもが小さいときに時々通ったラーメン屋さん、おじさん元気かなって、久しぶりに寄ってみた。厨房の中のおじさんは相変わらず、そんなに愛想も良くなくて。身体は不自由そうだったけど、がんばっていた。

今度行ったら、自分でやりますから。さりげなく。

 

ラーメン1杯380円、焼き鳥1本60円 安い!! そして、おいしい!!

教育画劇「ぼくがラーメンたべてるとき」より