8年前に私はおばあちゃんと呼ばれるようになった。つまり,初孫が生まれたのが8年前。
それから,うれしいことに,子供たちが次々に結婚し,赤ちゃん恵まれ,今では6人の孫たちがいる。孫たちから,「おばあちゃん」と呼ばれると「ハイハイ」と返事をする。しかし,ある時,ある人から「おばあちゃん」と声をかけられた。孫を抱いているのだから,だれが見てもおばあちゃんなのだけれど,『え?わたしのこと?』となんだか,腑に落ちない。身内以外の人からもおばあちゃんと呼ばれるのか・・・
年寄り扱いも仕方ない,それなりの年齢だもの。はぁ~
図書館で,敬老の日特集の本が並んでいたので借りてみた。
「おばあちゃんの記憶」エルヴェ・ジャウエン作 小野ゆり子訳
おばあちゃんという木から,葉っぱが一枚一枚はがれてゆくように,記憶が消えていく。つらかった戦争も,素晴らしかった恋愛も忘れていくおばあちゃんのため,13歳の少女は記憶を受け継ぐことにする。幸いこのおばあちゃんは自宅で,見守られているのだけれど,一人暮らしの年寄りと改めて生活を共にするのは,実の娘でも大変なことだ。3年前に見送った母を思い浮かべ,やがてわが身にも降りかかることであろうと思いながら,読み終えた。
敬老の日に向けて,もっと,ポジティブになれる本を読もうかな。
エルヴェ・ジャウエン「おばあちゃん記憶」より