「だくてん」(濁点)

昔、あるところに、ひらがなの国がありました。

「せ」の字について忠実に任務をはたしてきた濁点は、主を絶望させていたのは自分の存在だと気づきます。濁点がなければ、「ぜつぼう」ではなく「せつぼう」という悪くない言葉でいられたはずだったのにと。

濁点は主人に捨ててもらって、だれかに拾ってもらおうとしますが、誰も拾ってはくれません。そこへ、「おせわ」がきて「なんとかしてやる」と言います。

そして、「し」の沼のほとりまでくると、なんと濁点を放りこんでしまいます。 濁った水の深い深い孤独の中で、これでいいのだとつぶやく濁点。その泡が「きほう」の三文字となって水中に漂い始めました。さあ早く自分にくっつけ!いわれるがままに、濁点は「ほ」の字にくっつきました。そして「きぼう」(希望)」という言葉になって水面にうかびあがり、ぱちんと弾けて大気に溶けて行きました。

絶望の濁点はこんなふうにして、希望の濁点となったのでした。

作:原田 宗典  絵:柚木 沙弥郎 「ぜつぼうの濁点」より

「サンザシ」

お気に入りの ドライフルーツ屋さんで、切り羊羹のような茶色いものが目に留まった。「サンザシ」 赤い小さな実を加工してあるらしい。甘酸っぱくて、おいしい。消化促進、血流改善、コレステロール低下など効能いろいろ。

「サンザシ」・・・どっかで聞いたような 思いを巡らせていると、思い出した。

♫この道はいつか来た道 ああそうだよ~ 「この道」の4番に出てくる。

♫あの雲もいつか見た雲 ああそうだよ 山査子(さんざし)の枝も垂れてる。

赤い実がたわわに実って季節は秋らしい。1番のアカシアの花は春に咲く花

わたしはどちらも本物を見たことがないなあ。

「泣けるぅ-」

赤鬼さんでなくても、泣けます。青鬼さんの家の戸口に貼ってあった手紙・・・

「アカオニクン、ニンゲンタチトハ ナカヨク マジメニ ツキアッテクダサイ。~中略~ボクハ、コレカラ タビニデルコトニシマシタ。ボクハ イツデモ キミヲ ワスレマイ。サヨウナラ。キミ、カラダヲ ダイジニ シテクダサイ。ドコマデモ キミノ トモダチ  アオオニ」 わざと悪者になって、赤鬼が、人間の信頼を得るように仕向けた青鬼。そして、そっと旅にでるのです。

『イツマデモ』 ではなく、『ドコマデモ キミノ トモダチ』という最後の言葉が深いです。

作:浜田 廣介  絵:梶山 俊夫 「泣いた赤おに」より

「梅の花がポチポチ」

お正月用の生け花は松に梅 菊、南天など。

硬い蕾だった梅の花がポチポチと可愛く咲き始めた。

この寒い時期に花を咲かせて、けなげである。梅、桃、桜など枝から咲く花は不思議だと毎年思う。そして、とても生命力を感じる。苔むした梅の古木も味わい深い。

羽子板やしめ縄、鏡餅など一通り正月らしくかざったものの、そういえば、お蘇の漆器は使わずじまい。実家から譲り受けてきたけれど・・・・