「空港」

もう会えないかもと思って、別れた茨城空港。

ワンワン泣く、孫娘(5歳)を抱きしめながら、

「きっとまた会えるから」

と、なんの保障もない言葉をくりかえしたあの日。

「今度は福岡にきてね 「うん」

あれから8ヶ月、

 

念願かなって、奇跡的に私の命が延びて、会えることになった。

まだ体力的に十分ではいけれど。空港に迎えに行ける。孫娘たちにあえる!

嬉しくて別れでもないのに涙が出そうである。

 

短い期間ではあるけれど、福岡のいとこたちと楽しんでね。

 

「よく来たね。いらっしゃい。福岡へ」

 

そして、息子へ

「おかえり」

作:小風さち 絵:山本忠敬 「とべ!ちいさいプロペラき」より