6年生の朝読。わずか10分。何を届けようか。
『無難』なものではなく、何かを受け止めてほしいと思い、選んだ絵本は
マーガレット・H・メイソン 文 フロイド/クーパー 絵「おじいちゃんの手」
「どうだ、ジョーゼフ、わしの手は・・・」わしの手でお前に教えてやろう。靴紐の結び方も、ピアノも、トランプも、野球も。
しかし、むかし、わしができなかったこと。
それは、パン工場でパン生地をこねること・・・それは許されなかった。
1950年代から1960年代のころの話。
ありがたいことに、担任の先生が初めから最後まで、子どもたちと一緒に聞いてくださった。
そして、廊下で呼び止め、穏やかな顔で「深い話でしたね」と感想をいってくださった。クラスにいろんな背景を持つこどもがいるであろう、配慮すべき子どももいるであろうことを思っていると伝えた。
それぞれの心に一粒の種を落せただろうか。
一番前で聞いていた男の子の大きな目を忘れない。
光村教育図書「おじいちゃんの手」より