亡くなったおじいちゃんが、いつも言っていた。「温かいものは温かいうちに食べたい」
食が細くなったおばあちゃんの食べたいものは「牧のうどん」
お店に行くことはかなわないし、施設の部屋では火は使えない。でも、お持ち帰り用セットがある。
スープは温めて保温水筒に。麺は部屋のティファールのポットで半玉ゆでて、おつゆ茶碗に入れた。ねぎや天かすをトッピングして完成。ふうふうしながら、おいしいと言って食べてくれた。
実家にはいつも食材があふれていて、「ご飯まだやろ?」とちゃっちゃっとご飯の用意をしてくれた。
「食べていかんね。」が口癖だった。
少し前の母なら「あんたの分は?」と心配するのに、ひとり黙々と食べる母がちょっと哀しかった。「食べてきたからいいよ」と答えるつもりだったけれど・・
ひさかたチャイルド「ふうふうふう~」より