セピア色の「マッチ箱日記」

もし、文字が書けなかったら、どうやって記録を残すことができるだろう。

「ひいじいちゃんは読むことも書くこともできなかった。だから、マッチ箱にその日の思い出をいれることにしたのさ。」それは瓶のふたや新聞の日付の部分など。

小さな箱はそれだけで魅力的だけれど、このマッチ箱は切実な日記帳なのだ。

 

マッチ箱は最近、とんと見なくなった。子供のころは七輪やお風呂沸かしで大きなマッチ箱を使っていた。昭和の話。地域性かもしれないけれど、それは子供の当たり前のお手伝いだった。今はマッチを使ったことがない子供も珍しくはないのだろう。

BL出版「マッチ箱日記」より