小、中学校が近くだったので、登下校の心配は無かったのですが、その分、職場の遠い母の方が先に、家を出て、当然仕事から帰ってくるのも、子どもの帰宅時間には間に合わない。
だから、「いってらっしゃい」も「おかえりなさい」も子どもに伝えられなかった。フルタイムで仕事をしている親はみんなそうかもしれないけど。
末っ子は一人、お留守番をすることが多くて、ちょっとかわいそうだった。
黄色い帽子や黄色いランドセルを見るのも、2学期の中頃にやっと仕事の代休の時だった。
愛おしくて。 改めて、まだやっと1年生なんだと。
今日は、お母さんが家にいるから、「ただいま」が言えると嬉しそうに「いってきます」を言って学校にいった。
学校から帰ってきた時に、
「ただいま」を言った娘の笑顔を忘れない。「おかえりなさい」
そんな娘も、成人し、責任ある仕事を持ち、優しいパートナーにも恵まれた。ふと、子どもの頃のことを思い出すと切ないけど、有り難いことに、四人のこどもたちは、みんなたくましく大きくなりました。
今日はランドセルを揺らしながら帰る、黄色いランドセルを見て、つい思い出してしまった。家庭訪問でみんな早帰りらしい。
作:三浦太郎 「おうちへかえろ」より
作:ジミー・リャオ 訳:天野健太郎 「おなじ月をみて」より