長いトンネルの むこう行くよ さようなら アナグマより
ベッドの中で、モグラはアナグマのことばかり考えていました、なみだは あとからあとからほおをつたい、毛布をぐっしょりぬらしました。
雪は地上を、すっかりおおいました。けれども心の中の悲しみをおおいかくしてはくれません。
アナグマは、いつでもそばにいてくれたのに。
春がきて、みんなは互いに行き来しては、アナグマの思い出を語りあいました。
アナグマはひとりひとりに 別かれたあとでも、たからものとなるような、知恵や工夫をのこしてくれたのです。
みんなはそれで、互いに助けあうこともできました。
モグラはアナグマが残してしてくれた おくりものにおれいがいいたくなりました。
「ありがとう、アナグマさん」
モグラはなんだか そばでアナグマが 聞いてくれているような気がしました。
兄がのこしてくれたものは 夢や勇気や希望 そして優しさ。
(家族の協力のたまものかな? ちょっと、わがままだと思う部分はありましたけどね・・・・)
さく・え:スーザン・バーレイ やく:小川 仁央 「わすれられない おくりもの」より