昨日、帽子を買いました。
帽子で思い出すのは、ナオちゃんのこと。
帽子はお散歩の合図だった。
専用のバギーに酸素も持ち運びしなくてはならなかったけど、お散歩が大好きで、帽子がチラッと見えると、ふわぁ~と満面の笑み。「いやいや、まだ行かんよ。もうちょっとしてからね-」
など言おうものなら、その笑顔が曇って、がっかりの極み。
歩けなくても、言葉が話せなくても、その手に何も握ることができなくても、
中1のナオちゃんは歌が好きで、おさんぽが好きで、人が好きで、学校が大好きだった。
ナオちゃんのこぼれるような笑顔は、お父さんとお母さんの豊かな愛情から生まれるものと、いつもそう思っていた。
7月15日、博多は山笠の日に生まれ、生きていたら、もうすぐ26才。
何年たっても、ご両親の悲しみは消えないだろうけれど、ナオちゃんの笑顔は忘れないよ。
パネルシアター「すてきな帽子やさん」より